国産品と海外産品:伝統と希少価値、高品質低価格。それぞれの魅力
お仏壇の9割が海外産品でも根強い国産品への支持
お仏壇は、日本国内で作られていると思われている方も多いのではないでしょうか。しかし実のところは、仏壇店に展示されているお仏壇の9割が海外産品です。他の産業同様に、海外で作った方が材料費も人件費も安くすむことが主な理由のです。また、お仏壇製作に必要な木材の入手が日本では困難という現実もあります。
それでも国産品の人気は衰えません。国産品=高品質という印象を多くの人が持たれています。長く使うものだからこそ、より良い品質のお仏壇を選びたいという意識は根強いです。
原産国表示のルール。国産品を表示できる基準
お仏壇の原産国表示は、主に3種類あります。日本で作った「国産品」、組み立ては日本で行った「日本組立品」、海外で作った「海外産品」です。
ここで注意しておきたいことがあります。それは国産品=すべてが日本製とは限らないということです。唐木仏壇に使用する黒檀(こくたん)や紫檀(したん)などの材料は、熱帯地方で採取された木材です。これらの木材は、日本では希少価値が高く輸入に頼っています。
お仏壇の製造工程は、木地、宮殿、彫刻、錺金具、蒔絵、塗り、金箔押し、組立に大きく分類されます。この工程で木地、塗、金箔押し、組立と一工程を国内で行えば国産品と表示可能です。すべての工程が日本で行われているお仏壇は、ごくわずかなのです。
海外産品の魅力と国産品の魅力
海外産は、製作工程の過半をベトナムや中国などで行っています。しかし、国産品ではないからといって、品質が低いとも言い切れません。海外で作られたお仏壇が流通するのは、基本的に日本です。製作現場には日本人による技術指導が行われることが多いため、製作のノウハウや品質管理も徹底しています。国産品に見劣りしない品質のお仏壇を、安く買えるのが海外産品の魅力と言えるでしょう。
しかし、細かい装飾は日本の職人が得意とするところ。品質だけでなく細やかなデザインも重視するなら、国産品のお仏壇を選択されることをオススメします。